まえがき
むし歯は、子供だけがかかる病気ではありません。近年は、高齢者のむし歯も増加傾向にあります。むし歯は、歯を失うだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼすことが知られています。
目次
- むし歯のリスクを高める生活習慣
- むし歯のリスクを減らす生活習慣
- 歯を大切にすることが生活習慣病予防につながる
- むし歯のメカニズム
- むし歯治療
- むし歯予防の最新情報
- まとめ
1. むし歯のリスクを高める生活習慣
• 甘い物の摂取量が多い
- 特に、砂糖や果糖を含む食品はむし歯菌のエサとなりやすい。
- 間食の際は、ナッツやヨーグルトなど、むし歯リスクの低い食品を選ぶ。
- 甘い飲み物は、水やお茶に置き換える。
• 間食が多い
- 食後すぐに歯磨きをしない場合、口の中に糖分が長時間残ることになる。
- 間食は、どうしても必要な場合のみとし、その際はすぐに歯磨きをする。
• 歯磨きが不十分
- 歯垢は、むし歯菌の住処となる。
- 一日二回、朝食後と夕食後に、二分以上かけて丁寧に歯磨きをする。
- 歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯間の清掃も行う。
• フッ素を取り入れていない
- フッ素は、歯の表面を強化し、むし歯菌の酸に対して抵抗力を高める。
- フッ素入り歯磨き粉を使用する。
- フッ素洗口液を使用する。
- 定期的に歯科医院でフッ素塗布を受ける。
• 定期的に歯科検診を受けない
- 早期発見・早期治療は、むし歯の進行を抑制する。
- 半年に一回は、歯科医院で検診を受ける。
2. むし歯のリスクを減らす生活習慣
• 食後の歯磨きを徹底する
- 食後は、必ず歯磨きをする。
- 歯磨き粉は、フッ素入りのものを選ぶ。
- 歯ブラシは、小ぶりで毛先の柔らかいものを選ぶ。
- 歯磨き時間は、二分以上。
• フッ素入り歯磨き粉を使う
- フッ素は、むし歯予防効果がある。
- フッ素入り歯磨き粉を使用する。
• 間食を控える
- 間食は、どうしても必要な場合のみとする。
- 間食後は、すぐに歯磨きをする。
• よく噛んで食べる
- よく噛むことで、唾液の分泌が促進される。
- 唾液は、歯の表面を保護し、むし歯菌の増殖を抑制する。
• 定期的に歯科検診を受ける
- 早期発見・早期治療は、むし歯の進行を抑制する。
- 半年に一回は、歯科医院で検診を受ける。
3. 歯を大切にすることが生活習慣病予防につながる
むし歯は、歯周病、糖尿病、心臓病などの生活習慣病のリスクを高めることが分かっています。歯を大切にすることで、これらの病気の予防にもつながります。
• 歯周病
- 歯周病は、歯を支える骨が溶ける病気。
- 歯周病になると、歯がグラグラしたり、抜けたりする。
- 歯周病は、糖尿病や心臓病などのリスクを高める。
• 糖尿病
- 糖尿病は、血液中の糖分が多すぎる病気。
- 糖尿病になると、歯周病にかかりやすくなる。
- 歯周病は、糖尿病の悪化を招く。
• 心臓病
- 心臓病は、心臓の機能が低下する病気。
- 歯周病は、心臓病のリスクを高める。
- 歯周病の治療は、心臓病の予防にもつながる。
4. むし歯のメカニズム
• 酸の生成
- むし歯菌は、歯垢の中の糖分を分解して酸を生成する。
- この酸が、歯の表面のエナメル質を溶かす。
• エナメル質の脱灰
- エナメル質は、歯の表面を覆う硬い組織。
- エナメル質が脱灰すると、むし歯菌が歯の内部に侵入しやすくなる。
• 象牙質の侵蝕
- エナメル質の内側にある象牙質は、エナメル質よりも柔らかい組織。
- 象牙質が侵蝕されると、冷たいものや熱いものがしみるようになる。
• 歯髄炎
- 象牙質の奥にある歯髄には、神経や血管が通っている。
- 歯髄が炎症を起こすと、激しい痛みを感じる。
• 歯根膜炎
- 歯根膜は、歯を支える組織。
- 歯根膜が炎症を起こすと、歯がグラグラしたり、咬むと痛むようになる。
5. むし歯治療
• 初期むし歯
- エナメル質のみが溶けた状態。
- フッ素塗布や歯みがき指導などで、進行を抑制できる場合がある。
• 中等度むし歯
- 象牙質まで達した状態。
- 削って詰め物をする治療が必要となる。
• 重度むし歯
- 歯髄まで達した状態。
- 根管治療が必要となる。
• 抜歯
- 歯の崩壊が著しい場合、抜歯が必要となる。
6. むし歯予防の最新情報
• フッ素入り歯磨き粉
- フッ素入り歯磨き粉は、むし歯予防効果が確立されている。
- フッ素濃度1450ppmのものを選ぶと効果的。
• キシリトール
- キシリトールは、むし歯菌の増殖を抑制する効果がある。
- キシリトール配合のガムやタブレットなどを活用する。
• 歯科医院での定期検診
- 早期発見・早期治療は、むし歯の進行を抑制する。
- 半年に一回は、歯科医院で検診を受ける。
• シーラント
- 奥歯の溝を塞いで、むし歯を防ぐ方法。
- 子供のむし歯予防に効果的。
• PMTC
- 歯科医院で専門的なクリーニングを行う。
- 歯垢や歯石を徹底的に除去し、むし歯や歯周病を予防する。
7. まとめ
むし歯は、生活習慣によって予防することができます。日頃から、食生活や歯磨きの習慣を見直し、むし歯のリスクを減らしましょう。
参考文献
• 厚生労働省 e-ヘルスネット むし歯: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth-summaries/h-02
• 日本歯科医師会 むし歯予防: https://www.jda.or.jp/