歯周病の症状とその対策について

大阪府大阪市西区の歯医者 うえすぎ歯科クリニック

歯科医師・院長の上杉良太です。

歯周病は、歯の周りの組織に炎症が生じ、進行すると歯の喪失につながることがある深刻な病気です。多くの人が歯周病の初期症状に気付かず、治療が遅れることが多いため、適切な知識を持ち、早期発見と治療を心がけることが大切です。本日は、歯周病の症状とその対策について詳しく解説します。

目次

  1. 歯周病とは?
  2. 歯周病の症状
  3. 歯周病の原因
  4. 歯周病の予防方法
  5. 歯周病の治療法
  6. まとめ

歯周病とは?

1. 歯周病とは、歯を支える歯ぐきや歯槽骨などの組織に炎症が生じる病気です。主に細菌の感染によって引き起こされるもので、初期段階では「歯肉炎」として知られています。歯肉炎が進行すると「歯周炎」に発展し、深刻な場合は歯の喪失につながることもあります。多くの人が歯周病に罹患しており、特に高齢者に多く見られますが、若い世代でも発症する可能性があります。

歯周病の症状

2. 歯周病の初期症状としては、歯ぐきの腫れや出血が挙げられます。歯磨きをしたときや食事中に歯ぐきから出血する場合、歯肉炎の可能性があります。この段階では痛みを感じることが少ないため、多くの人が見逃しがちです。進行すると、歯ぐきが後退し、歯が長く見えるようになります。また、歯ぐきが赤く腫れたり、触れると柔らかく感じることもあります。さらに進行すると、口臭が強くなり、歯がぐらぐらと動き始めることがあります。この段階では歯周炎として症状が深刻化しているため、早期の治療が必要です。

歯周病の原因

3. 歯周病の主な原因は歯垢や歯石による細菌感染です。歯垢は歯の表面に付着する粘着性のある薄い膜で、食べ物のカスや細菌が混ざり合って形成されます。歯磨きを怠ると歯垢が蓄積し、硬くなって歯石となります。この歯石が歯ぐきの下に侵入し、炎症を引き起こします。また、喫煙や不適切な食生活、ストレス、遺伝的要因も歯周病のリスクを高める要因です。

歯周病の予防方法

4. 歯周病を予防するためには、日常的な口腔ケアが非常に重要です。まず、正しい歯磨き方法を身につけることが大切です。歯ブラシを45度の角度で歯と歯ぐきの境目に当て、小刻みに動かして磨くと効果的です。また、フロスや歯間ブラシを使用して、歯と歯の間の汚れをしっかりと取り除くことも必要です。加えて、定期的に歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングを受けることも推奨されます。これにより、歯垢や歯石の蓄積を防ぎ、健康な歯ぐきを保つことができます。さらに、バランスの取れた食事や適度な運動、禁煙なども歯周病予防に効果的です。

歯周病の治療法

5. 歯周病の治療法は、進行度により異なります。初期の歯肉炎であれば、定期的な歯科クリーニングと適切なホームケアで改善できます。歯科医師や歯科衛生士による歯垢・歯石の除去(スケーリング)は、歯ぐきの健康を取り戻すために重要です。進行した歯周炎の場合、深い歯周ポケット内の歯石を除去する「ルートプレーニング」が行われます。これにより、感染を防ぎ、歯ぐきの再生を促します。さらに進行した場合は、歯周組織を再生するための外科的治療が必要になることもあります。手術には「フラップ手術」や「骨移植」、また最近では「レーザー治療」なども行われています。それぞれの治療には身体的・経済的な負担が伴いますが、早期に治療を行えばその負担も軽減できます。一般的な治療費は数千円から数万円程度が多いですが、症状や治療内容によって異なります。

まとめ

歯周病は多くの人々が抱える共通の問題であり、特に初期段階では症状が明確でないため、見過ごされがちです。しかし、適切な知識を持ち、早期に対策を講じることで、歯周病の進行を防ぐことができます。日常的な口腔ケアの重要性を理解し、定期的な歯科検診を受けることが、健康な口腔環境を維持するための鍵となります。疑わしい症状がある場合は早めに歯科医院を訪れ、適切な治療を受けましょう。歯周病を予防し、健康な歯と歯ぐきを維持するための一助となれば幸いです。