歯ブラシはいつ替える?毛の硬さ・大きさと、電動を使うときの注意

毎日使うものなのに、歯ブラシの選び方をきちんと教わる機会はあまりありません。売り場には「ふつう」「かため」「やわらかめ」が並び、電動のものも増えて、どれがよいのか迷われる方が多いと思います。

実は歯ブラシは、力の入れ方と替える頻度のほうが、種類の違いよりも結果に効いてきます。大阪市西区・九条の当院で日ごろお伝えしている内容を、選び方・使い方・交換時期の順に整理しました。

目次

  1. 毛先が広がったら、もう働いていません
  2. 硬さは「ふつう」で構いません
  3. ヘッドは小さめが届きます
  4. 当て方と動かし方
  5. 電動歯ブラシを使うとき
  6. 歯みがき剤のこと
  7. 道具を替えるだけでは足りません
  8. まとめ|替える頻度と力の入れ方が結果を分けます

1. 毛先が広がったら、もう働いていません

歯ブラシが汚れを落とすのは毛先の部分です。使ううちに毛先が外へ広がってくると、この先端が歯の面に当たらなくなります。横腹でこすっている状態になるため、時間をかけても汚れは落ちません。見た目は使えそうでも、性能は落ちています。

後ろから見て、毛がはみ出していたら交換です

判断はとても簡単です。歯ブラシを裏返して、ヘッドの後ろ側から見てください。輪郭から毛がはみ出して見えたら交換の時期です。目安としてはおよそ1か月ですが、力の入れ方によって差があります。1か月経たずに広がる方は、力が強すぎる可能性があります。

交換の目安 1 およそ1か月 基本の目安 月初めに替えると忘れにくい 2 毛が広がったら 後ろから見て はみ出したら交換 3 毛先が丸まったら 先端が当たらず 汚れが落ちない 4 体調を崩した後 早めに替える 衛生面の配慮 1か月経たずに広がる場合は、力の入れすぎが考えられます

▲ 後ろから見て毛がはみ出していたら交換してください

2. 硬さは「ふつう」で構いません

多くの方には「ふつう」が適しています。かためは汚れが落ちる感じがしますが、力の加減が難しく、歯ぐきを傷めたり歯の根元をすり減らしたりすることがあります。やわらかめは、歯ぐきに強い炎症があるときや、手術後など特別な時期に使うものと考えてください。

力を入れるほど落ちるわけではありません

歯垢はやわらかい汚れなので、軽い力で十分に落とせます。むしろ強く当てると毛先が寝てしまい、かえって当たらなくなります。目安は150グラム程度、鉛筆を持つように握って、毛先が広がらない範囲の力です。

毛の硬さの選び方 比較項目 ふつう かため 多くの方に 適している 力の加減が難しい 歯ぐきへの負担 少ない 傷めやすい 歯の根元 すり減りにくい すり減ることがある 落ちる感じ 物足りなく感じる方も 実感しやすい 毛先の持ち 標準 広がりやすい やわらかめ 炎症が強いとき 手術後など一時的に

▲ 特別な事情がなければ「ふつう」を選んでください

3. ヘッドは小さめが届きます

大きなヘッドは一度に広い面を磨けそうに見えますが、奥歯の裏側や、いちばん奥の歯の後ろ側には入りません。小さめのヘッドのほうが小回りがきき、届きにくい場所に当てられます。目安として、上の前歯2本分程度の幅が扱いやすいとされています。

磨き残しは場所が決まっています

多くの方で残りやすいのは、奥歯の外側の後ろ寄り、下の前歯の裏側、そして歯と歯ぐきの境目です。利き手の関係で、片側だけ残りやすいという傾向もあります。ご自身の癖は検診で確認できますので、そこを重点的に磨いていただくのが近道です。

磨き残しが出やすい場所 いちばん奥の歯の、さらに奥側 奥歯の外側の後ろ寄り 下の前歯の裏側 上の前歯の裏側 歯と歯ぐきの境目 歯が重なっている部分 ご自身の癖は検診で確認できます

▲ ここを意識するだけで、落ちる汚れの量が変わります

4. 当て方と動かし方

毛先を歯の面に垂直に当てるのが基本です。歯と歯ぐきの境目を磨くときは、45度ほど傾けて溝に毛先を入れます。動かす幅は5ミリから10ミリほどの小刻みで、1か所につき20回程度。大きく動かすと、当たっていない場所ができてしまいます。

順番を決めると磨き残しが減ります

その日の気分で磨くと、毎回同じ場所が抜けます。右上の外側から始めて一周する、といった順番を決めておくと、抜けが減ります。時間の目安は3分程度ですが、時間より「どこに当たっているか」を意識していただくほうが効果的です。

基本の磨き方 1 軽く握る 鉛筆を持つように 2 毛先を当てる 歯の面に垂直に 3 小刻みに動かす 5〜10ミリの幅で 4 順番を決める 一周して抜けを防ぐ 強く当てると毛先が寝て、かえって当たらなくなります

▲ 大きく動かさず、小刻みに動かすのが基本です

5. 電動歯ブラシを使うとき

電動歯ブラシは、手で動かすより効率よく汚れを落とせることが報告されています。ただし、使い方が手みがきと違う点に注意が必要です。装置が動いてくれるので、ご自身で動かす必要はありません。当てて、少し待って、次の歯へ移す。これが基本です。

力を入れないこと、動かさないこと

手みがきの癖でゴシゴシ動かしてしまうと、効果が落ちるだけでなく歯や歯ぐきを傷めます。押しつける必要もありません。多くの機種には強く当てすぎると知らせる機能が付いていますので、活用してください。替えブラシの交換時期は手みがきと同じ考え方です。

電動歯ブラシの使い方 こう使います ・歯に当てて少し待つ ・1本ずつ移動させる ・力は入れず添えるだけ ・毛先を歯ぐきの境目にも当てる ・替えブラシも定期的に交換する 避けてください ・手みがきのように動かす ・強く押しつける ・歯間の清掃を省く ・広がった替えブラシを使い続ける ・短時間で済ませる

▲ 手みがきの癖のまま使うと、効果が落ちます

6. 歯みがき剤のこと

歯みがき剤は、たくさん付ければよいというものではありません。泡が増えると磨けた感じがして、早く切り上げてしまいがちです。量は歯ブラシの3分の1から半分程度で十分です。むし歯の予防を考えるなら、フッ素が配合されているものを選んでいただくのがよいと思います。

すすぎすぎないこと

磨いたあと何度もすすぐと、せっかくのフッ素が流れてしまいます。少量の水で1回程度にとどめると、口の中に成分が残りやすくなります。研磨材が多く入ったものを毎回使うと歯の表面を傷めることがありますので、着色が気になる場合も使う頻度を考えてください。

すすぎすぎると流れてしまいます 1回 で十分です 少量で1回すすぐ 成分が口に残りやすい 何度もすすぐ フッ素が流れてしまう 量は3分の1程度 泡が多いと早く切り上げがち 効果の感じ方や必要な対策には個人差があります

▲ 少量の水で1回程度にとどめてください

7. 道具を替えるだけでは足りません

よい歯ブラシを選び、正しく使っても、歯と歯のあいだには毛先が届きません。フロスや歯間ブラシを併せて使っていただく必要があります。また、どれほど丁寧に磨いても、硬くなった歯石はご自身では落とせません。ここは専門的な清掃が必要です。

自分の癖を知ることがいちばんの近道

検診では、どこが磨けていて、どこが残っているかを確認しています。磨き方を大きく変えなくても、残っている場所を1か所意識するだけで結果は変わります。歯ブラシの当て方も、その場で一緒に確認できます。

手入れの組み立て 1 歯ブラシ 面の汚れを落とす 毎日・1か月で交換 2 歯間の清掃 毛先が届かない面 1日1回・就寝前に 3 フッ素 歯の表面を守る すすぎすぎない 4 専門的な清掃 硬くなった歯石 定期的に受ける 必要な頻度や方法には個人差があります

▲ どれか一つでは、口の中は守りきれません

まとめ|替える頻度と力の入れ方が結果を分けます

歯ブラシは、毛先が広がった時点で性能が落ちています。裏返して後ろから見たときに毛がはみ出していたら交換です。目安はおよそ1か月ですが、それより早く広がる方は力が強すぎます。硬さは特別な事情がなければ「ふつう」、ヘッドは小さめのほうが届きにくい場所に当てられます。

電動歯ブラシは効率よく汚れを落とせますが、手みがきのように動かしたり押しつけたりすると効果が落ちます。当てて待って、次の歯へ移してください。歯みがき剤は歯ブラシの3分の1程度で十分で、すすぎは少量の水で1回にとどめるとフッ素が残りやすくなります。なお、歯周病の治療の一環として行う清掃指導は保険が適用されますが、疾患がなく予防を目的とする場合は自由診療(保険適用外)となることがあります。磨き残しの癖には個人差がありますので、検診の際に一緒に確認しています。大阪市西区・九条のうえすぎ歯科クリニックまでご相談ください。

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出典・参考資料

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯・口の健康」
  • 公益社団法人 日本歯科医師会「テーマパーク8020」
  • 特定非営利活動法人 日本歯周病学会
  • 特定非営利活動法人 日本歯科保存学会

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状や治療の経過・効果には個人差があります。詳しくは歯科医師にご相談ください。